2010年07月16日 土浦市営球場

石岡一vs東洋大牛久

2010年夏の大会 第92回茨城大会 2回戦

石岡一・坂本

積み上げてきた努力が実を結んだ石岡一、嬉しい3回戦進出

 土浦駅の改札が朝から混雑していた。ちょうど野球の全校応援で東洋大牛久の生徒たちが集まる時刻だったからだ。駅から歩いて数分のところにある土浦市営球場へ生徒たちは各自で向かうということらしいが、所々には先生も立っていた。このように茨城は学校行事の一環として野球応援を組み込んでいるところも少なくない。途中で、この日は3年生の学年応援となっている石岡一の生徒も混じってきて、歩道は高校生でごった返していた。その合間を縫うようにして球場へ向かうことになった。
 そんな一コマもまた、夏の大会の一つの風景ともいえる。

 それだけの生徒が来たので、さほどスタンドが広くない土浦市営球場はすぐにいっぱいになってしまい、東洋大牛久の応援団は外野の左中間まで埋めてしまった。そして、ともに華やかな応援が一層ムードを盛り上げた。茨城大会では1、2回戦では県高野連の各球場長が審査する応援大賞もあるので、応援にもより力が入る。こういったことを含めて、高校野球は日本に根付いた郷土の文化だといえる。学校文化といってもいいだろう。また、そうしたことを伝えるのも我々の一つの役割ではないかとも思っている。

 そんな熱気の中で行われた試合は、石岡一が初回に2死一二塁から五番坂本の右前打で先制。これに対し東洋大牛久も3回に今井の左線二塁打などで一三塁として併殺崩れの間に三塁走者が帰って同点とする。

 振り出しに戻ったかと思われた試合だったが4回、すぐに石岡一は2死二塁から八番木崎が中前適時打して再び突き放す。さらに、5回にも2死一二塁から五番坂本が右中間三塁打し、羽鳥の右前打で自身も帰ってこの回3点が入り主導権を握った。

 石岡一の先発左腕山口はスライダーとカーブを多投して巧みに交わしながら、6回まで1失点でこらえる。しかし、疲れも出てきた7回に死球と今井の三塁打、中辻の左越二塁打などで2点を返され、ここで栗又にマウンドをゆずることになった。代わり端苦しい状況だったが、栗又は二直併殺でピンチを切り抜けるという幸運もあり、相手に傾きかかった流れを再び石岡一が呼び戻した。

 そのまま、栗又の好投で逃げ切った石岡一は、選手個々の力では一枚上と思われた東洋大牛久を倒して久々の3回戦進出を果たした。6月初旬の修徳との練習試合では7回で21点も奪われたことのあるチームが、1ヵ月あまりで見違えるように進歩したことに川井政平監督は、「積み上げてきたことを一つ一つ一生懸命にやろうと言ってきたのですが、子どもたちの進歩には驚かされています。試合の流れとしては、同点にされた直後に木崎がよく打ってくれました。坂本は2年生ですが、打撃がいいので五番に起用したのですが応えてくれました。山口は1回戦で5点リードを守りきれませんでしたが、今日はよく投げてくれました」と評価した。そして、選手から贈られたウイニングボールを手にしながら、「あいつら、時々こういうことするんですよね」と、少し目を潤ませていた。

 久しく公式戦で勝てなかったチームが、川井監督の赴任とともに、徐々にチームとしてのまとまりが出来ているという印象だ。
石岡一は、得点した回にはいずれもきっちりと送りバントを決めているなど、やるべきことをしっかりとやっているという成果でもあった。

(文=手束 仁


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